東條 弓月 An die Musik
An die Musik 掲載に際して
この作品は僕が大学の卒業制作として1999年に執筆し、翌2000年の2月に大幅に修正・加筆したものです。当初は卒業制作として何の発表のあても無く書いていたものですが、ここにこうして一般の方の目に触れる機会を与えていただいたことについて、まずは管理人、楪芳秋氏に感謝の意を表したいと思います。
さて、この作品の主人公は「TIME HAS COME」連載中の小説、『離れずに暖めて』の読者にはおなじみの、佳月友則君とよく似た顔のピアニスト、片山龍介です。今でも時折懐かしく思い出すのですが、僕が最初に彼についての着想を得たのは、大学2回生の時でした。そのときはまだ名前も無かった一人の音楽家は、その後の大学生活の中で少しずつ成長していきました。そして4回生になった頃には、僕は常に自分の中に彼の存在を感じるようになっていました。楪さん流にいうところの「シンクロ率100」という感じでしょうか。寝ても覚めても(授業中も)ずっと彼と彼の音楽について考え、手当たり次第にノートの片隅に断片を書き殴っていました。そうして最終的に仕上がったのがこの作品です。
インターネット掲載にあたり文章を読み返してみると、思わず赤面してしまうほどの稚拙さや、今とは違う考え方をしている個所が多々見つかりました。本来ならば再度加筆・訂正を行なうべきなのかもしれませんが、僕自身のこの作品への視線が著者から読者へとスライドしてしまっているため、最早手を入れることが出来なくなっていました。ですからこれは、1999年に一人の大学生が書いた小説としてお読みいただければ幸いです。
尚、この作品は大学において本名で発表したものですが、東條弓月は間違いなくこの作品の著者本人であることを明言致します。
2002.6.10 東條 弓月